みりお

生きる LIVINGのみりおのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.5
TIFFにて鑑賞🌟
本当に本当に素晴らしい作品だった。
タイトルの通り、「生きる」とはなんなのかを、じわりじわりと問いかけてくれた。

過ぎてゆく日々や時間は、誰の上にも平等。
適当にやり過ごしても、新しい世界に飛び込んでみても、もしくは目的や生きがいのために邁進しても、同じだけの時間が流れてしまうんですよね。
だったら毎日を必死に生きればいいじゃない、と言われるかもしれないけれど、淡々と過ごした方が楽だし、終わりを迎えるのなんてずっと先に思えるし、楽して惰性で過ごしてしまう日もあるなぁ。

本作の主人公・ウィリアムズも、ただ空虚に意味もなく日々を重ねてきたように、最初は見えた。
堅物上司で、話しかけるのも憚られるタイプ。
でもそんな彼が、自分の余命を知ったことにより、お酒で酔い潰れてみたり、職場の人とランチに行ってみたり、日々新しいことにチャレンジし、そしてとある生きがいを見つける。
その瞬間、虚構のようだった彼の人生が、物凄い勢いで動き出し、生きた痕跡を紡いでいくことになる。
自身の生きた証を見つめるときのウィリアムズの表情が、目に焼き付いて輝いている。
あんな笑顔を最期に浮かべられるように"生きる"ことが、わたしの目標になった。

大好きなフィル友さんのおかげで、本当に素敵な作品に出会えました🥰
いつもありがとうございます♡
そしてまさかのちょうど900本目のMark❣️
素敵な作品でキリがよくて嬉しい(*´꒳`*)


【ストーリー】

1953年のロンドン。
間もなく定年を迎える公務員ウィリアムズは目的もなく、日々山積みになった書類をもくもくと処理し、終業時刻に帰宅する日々を送っていた。
しかしある日、自分の余命が短いことを知ってしまう。


【キャスト・スタッフ】

*監督:オリバー・ハーマヌス

南アフリカ出身🇿🇦
新聞社のカメラマンとして働いたのち、ロンドンの映画学校に通って勉強し、2009年に『Shirley Adams』で監督デビュー🌟
いくつもの国際映画祭で評価され、その年の南アフリカ最高の作品と評されました✨
その後5本の作品を監督しており、日本に入ってきているものはまだ『Moffie』(2019)くらいのようですが、今後がますます楽しみな監督さんです✨


*ミスター・ウィリアムズ:ビル・ナイ

『アバウト・タイム』でみりぺでぃあ記載済。
本作の成功は、ビル・ナイをキャスティングした時点で決まってたんじゃないかと思うくらい、本当に素晴らしかった😭✨
ビル・ナイの目線、出で立ち、醸し出す空気…全てに哀愁や戸惑いを感じる。
でもあることをきっかけに、その空虚さがパキッと切り替わり、強さと希望に満ち溢れる。
そして終盤…彼の顔に浮かぶ笑顔は、人生讃歌そのもの。
"生きる"ことの素晴らしさを、あの表情だけで語り切ったビル・ナイに心からの拍手を送りたくなった👏


*ミス・ハリス:エイミー・ルー・ウッド

イギリス出身🇬🇧
ロイヤルアカデミーで演技を学んだのち、舞台経験を経て、Netflixの『セックス・エデュケーション』(2019-)で幾つもの賞を受賞し、ぐっと知名度をあげました✨
2020年にいくつかのshortfilmに出演して、今後ますます映画界での活躍が期待されそうな女優さん😉💖
来月公開の『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』にも出演しているようで楽しみ🥰
みりお

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