フランソワ・トリュフォー監督の歴史ロマンスドラマ。
20世紀初頭。中流階級のフランス人青年が、イギリス人姉妹に恋をする。
「人生を乱すのは、愛ではなく、愛への不安なのだわ。」
繊細で優柔不断な青年と、情熱的な美人姉妹による三角関係を描いた、詩的で感傷的なメロドラマ。
映像、音楽、雰囲気は悪くなかったが、ストーリーに関してはあまり惹かれるものがなく、長さを感じた。キャラクターに関しても、姉アンは魅力的なキャラクターだったが、ジャン・ピエール・レオ扮する主人公や妹ミュリエルはあまり興味深いキャラクターではなく、恋愛ドラマに乗りづらかった。何度も挟まれるボイスオーバーもあまり作風に合っているとは思えなかった。
洗練された衣装、美術セット、自然、優しく柔らかな映像の質感など、視覚的には十分楽しめた。アイリスイン・アウトを用いたトランジションと、エモーショナルな音楽も印象的だった。
西洋手相学。
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