朝方変な声鳴き鳥

エンパイア・オブ・ライトの朝方変な声鳴き鳥のレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.6
すでに1コンテンツになっている、″映画を題材にした映画″、最近だとバビロンやフェイブルマンズなど。
でも今作は、″映画館″と″劇場スタッフ″がベースになっている映画なので、意外と珍しいなと思いました。
以前、よくある映画館(某HOシネマズ)でバイトしていた時期もあり、「バックヤードでめっちゃ談笑してるけど今なんの時間?」「ポップコーン昨日から出しっぱ!?湿気るぅ!」などいらん事無駄に考えてました。いらんいらん!

時代は80年代初頭、海沿いのレトロな映画館というだけで抜群のロケーション。全体的に光の使い方が綺麗。そこに、時代の政治や文化が入ってくるもんだから、80sカルチャー映画としてはなかなか優秀。(ブルース・ブラザーズ!)

キャスト陣の空気感や多くを語らない哲学的な台詞がとても印象に残りました。
不安定な人を演じたらピカイチのオリヴィア・コールマン、目がイッちゃってました。彼女が今作の主人公に相応しいのは、バランスが1番不安定な人というところ。彼女が何を選択し、どう動くかが見どころ。
そして、トビー・ジョーンズ演じるノーマン。彼が選んだのは、″仕事″。しかし、その裏で大きなものも失っていました。哀愁漂う彼が、影のMVPでしょう。
初めて見ましたが、トム・ブルックという俳優さんも大変見事でした。
あとスティーブン!……お前実は良い奴系クズじゃねぇか!笑 クラスにいたわ…

複数のテーマが上手く絡み合っているが、器用貧乏になってしまっている印象。でもロマンスこそメンタルヘルスの特効薬!みたいになってるというのはどうかな~…まぁ人間そんなもんって言われりゃそうか…。若さって罪よね(?)。

まぁ、″映画館″である必要は無かった!