エンドロール

エンパイア・オブ・ライトのエンドロールのネタバレレビュー・内容・結末

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半、これは傑作だと感じて大興奮だったが、後半で予想外の展開が待ち受けていた。
前半良いと思ったのは映画館愛にすごく共感していたから。映画よりも映画館が好きなのでは、と常々自問しているしフィルム上映の映画館でアルバイトしていたので、懐かしくて大変だった。シネコンがまだ無かった頃、映写室に映写技師がいて、グッズの在庫も置いていたあの古い映画館。カーペットの擦り切れた、衛生状態が良いとは決して言えないあの控室が、とても居心地が良かったこと。働く仲間も大好きだった。
とか自分の思い出と重ねて陶酔していた前半から、後半はヒラリーの病気について明らかになり…。辛い。今は同じ病気らしき人とお客として接することがあり、「病気だろうな、仕方ない!」と憐れみや諦めで距離を取っていた。あの人たちもヒラリーと同じく、調子の良い時期はとても素敵なレディでいるのだとしたら。今までのように無関心ではいられないかもしれない。
80年代当時イギリスであんなに黒人が差別されていたのは知らなかった。そして女性の立場も、今よりずっと低く見られていた。そこに更に「若くないこと」を負い目に感じざるを得ない日が遠くないことを知る。相手の属性でバイアスを作らないことができるのは、(広い意味で)愛だけなのか?そんなことを考えた。
あと全体的にセックス要素が多かった。もう少し減らせるのでは。