たく

エンパイア・オブ・ライトのたくのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.0
ヒラリーとスティーブンの生きてきた環境や辛さは違えど、この2人がどこか引き寄せ合えたのは、同じものを感じたからなのだろう。

誰にもわからない痛みは誰かが支えになってくれる事で少しでも前に進めるのだ、と言っているような気がした。

あとはスティーブンのお母さんが良かった。
病院で一瞬迷いを見せた仕草や、スティーブンが大学のために家を離れる前日の食卓での言葉。お母さんの存在がこの映画を良くしていた。

コリン・ファースがこんな嫌なおっさんなの初めて見た。

サッチャー政権の社会的悪影響も少なからず描かれていたが、あまりクローズアップしてなかったので、この映画はヒラリーとスティーブンを中心としたヒューマンドラマと言えよう。

余談だが、映画館を舞台にした映画って必ず映写機の説明がある。『浜の朝日の嘘つきどもと』『エンドロールのつづき』『銀平町シネマブルース』と本作品。暗闇の中に光がある、という表現は、やはり凄く伝わるものがある。
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