白波

モリコーネ 映画が恋した音楽家の白波のレビュー・感想・評価

5.0
劇場鑑賞
まるでモリコーネの歩みという、157分の音楽を聴いているようでした。
ウェスタンが好きだったので彼の音は以前からよく耳にしていましたし、劇伴作家としても大好きです。彼が携わったサントラもよく聴いてましたよ。
それでもまだ観ていない作品にも触れられ、それがとても興味深かったです。
あとこのドキュメンタリー、ストーリーテラーがモリコーネ本人なんですね。
この構成が実に新鮮で、まるで目の前で彼から昔話を聞いてるようでもありました。
あとこの作品、ちょっとサウンドトラックのようでもあって、それぞれの作品と曲のエピソードが切り替わると同じく曲も替わります。
それがあたかも、アルバムのトラックが切り替わったようなんですよね。
それと何気に彼が口ずさむメロディー、音階もピッチもレコードと全く同じなのがすごい。
インビューの顔ぶれも豪華で、よくあるマネージャーや元恋人とか出てこないんですよね。
これによって作品のテーマである“音楽と映画”の密度が濃くなっていました。
あとタランティーノの子どもみたいな笑顔、見ていて嬉しくなりますね。
それにしてもやはりトルナトーレ、全編に渡って愛に溢れた作品に仕上がっていましたね。エンドロールでは涙で溢れていましたよ。
モリコーネの真っ直ぐで、そして暖かさがとても伝わって来ました。
本当に素晴らしい作品、劇場で観れたことが嬉しかったです。
白波

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