Kz氏

モリコーネ 映画が恋した音楽家のKz氏のレビュー・感想・評価

4.0
マイベストムービーが「ニューシネマパラダイス」なので、トルナトーレ作品と聞いて、まだ上映しているミニシアターへ。

インタビューから音楽が聞こえ、音楽から映画が見える(もちろん音楽も映像も追いかけで入るのだけれども)作品。
監督・脚本の仕事は何なのだろう。編集者は別にいるのだけれども、インタビューと記録映像のドキュメンタリーでは、演出というよりは素材の編集に近いのだろうか。などと、作品のできばえから、余計なことまで考えてしまう。

エンリオ・モリコーネは映画音楽とポップスの人と思っていたのだけれども、純粋音楽と商業音楽を使い分けていた人で、タイプライターを楽器にしてしまう前衛音楽も手がけていた、と初めて知った。映画音楽で、クラッシックのテーマを解体したり、民族音楽を溶け込ませたり、SEを取り込んだりは、アバンギャルド・アーティストの技だったのだ。

音楽家や俳優、プロデューサーとともに、多くの監督が、モリコーネを語る。クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーン、ダリオ・アルジェント、ベルナルド・ベルトルッチ、そして、ジュゼッペ・トルナトーレ自身も。
「ニューシネマパラダイス」のテーマもあるのだけれど、私にとってのモリコーネは、セルジオ・レオーネとのコンビなので、マカロニ・ウェスタンを何本も見返した気分になった。

2020年7月6日逝去。
Kz氏

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