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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-のmiumiuのレビュー・感想・評価

3.9
実話ベース。
第二次大戦中にナチスドイツを欺くために行った英国の「ミンスミート作戦」を決行したチームの群像劇+作戦の行方を追うドラマ。

原作ノンフィクションも買ってあるけれど、結局読む前に鑑賞。
連合軍の軍事行動について、ナチスに嘘の情報を信じ込ませるため行った作戦の顛末。
どんな作戦なのか、邦題は普通にネタバレしちゃってるんだけど笑
作戦決行後、その効果を確認する手段がかなり曖昧で不確かなのとか、鑑賞前にイメージしていたのとは違う困難がたくさんあって、後半の方がむしろハラハラした。


コリン・ファースの大ファンなので主演作品を映画館で観られて嬉しい!
実質W主演のマシュー・マクファディンもとても良かった。
(『高慢と偏見』Mr.ダーシー俳優2人の共演!)
ミッションと同時にチーム内で起こるロマンスや小競り合いも描かれて、軽くコメディ要素を加えていたのも楽しかった。
(史実ではどうなのか、演じた俳優の実年齢と一致するのかとか、気になるところはあったけれど。)
作戦を実行した面々が妙に人間臭くて、残念な点も含めてみんな可愛らしい。
作戦実行チームや暗号解読に女性が多く関わっているのも面白い要素だった。

作戦を立てた実在の人物として、007の原作者として知られるイアン・フレミングが登場。
演じるジョニー・フリン、他の出演作だと「歌える俳優兼ミュージシャン」で甘い雰囲気というイメージ。
今作ではガラッと雰囲気を変えて渋く仕上げていて、とても良かった。
ところで「イアン・フレミング=007原作者」という情報、私はそもそも007ファンだから知っているけれど、日本人は007ファンでない限り、普通は知らないのでは……。
作家になる前の、諜報部で働く軍人としてイアン・フレミングを登場させつつ、
「いずれは007を書くよ!」
というのが笑いの小ネタとして登場する…… から、知らないと笑えずにスルーしちゃいそう。
そこは不親切な作りで勿体ないなあ、と思った。

実際の戦地には赴かない人たちの隠れた戦争、軍事作戦モノとしては、かなり面白かった。
原作ノンフィクションを読んでさらに理解を深めたい。
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