モルダー

リベリオンのモルダーのレビュー・感想・評価

リベリオン(2002年製作の映画)
3.2
第3次世界大戦後、戦争勃発の要因となる、あらゆる感情を抑制するため薬を使い、統治する警察国家の幹部があるとき感情に目覚めて反乱を起こす話。

感情を発露すると死罪にあたり、処刑されるという恐ろしい独裁国家。
観てて映画『ハカイダー』を思い出したけど、多少は意識してるのかな?
SFですが、そうした最新のガジェット、ギミック的な要素はほとんどなく、
冷たく無機質、光と影が同居する映像が印象的で、建物や家はコンクリートで簡素、モダンな雰囲気が良い。
あとは反逆者たちのアジト=廃墟(ネーダー)が退廃的に描かれていた。

感情よりも銃・兵器を規制した方が良いのではと思うほど、今作では銃撃戦が多く、死者が沢山出る。
特に銃撃に東洋武術を取り入れ、合理的な戦闘スタイルに昇華させたガン=カタを巧みに扱う主人公(Cベイル)の近接戦闘はカッチョ良くて魅了される。
主人公が羽織っているコートやアクション部分が『マトリックス』を彷彿とさせる。
Cベイルの蒼白い顔は無感情で冷血な殺戮マシーンがよく似合ってて良い。
そんな彼が死罪になった妻や自身が射殺したパートナーを回顧しながら、今生きている動物や人と接するうちに、感情を取り戻していく過程はドラマ部分として描かれていた。
余談ですが、性欲も薬で抑制しているのか少し気になった笑。

ただ、最後があまりにもアッサリというか、上手く行きすぎで、敵役のボスがショボい(護衛たちも甘い)のはマイナス点でしたね。
その分カタルシスがそこまで無かったのでこの点数です。
モルダー

モルダー