「なぜ登るのか」登山家なら幾度となく聞かれるこの問いに答える本作
原作は夢枕獏と谷口ジローによる漫画作品だが、制作国のフランスでは日本の漫画への熱い視線があり、その熱量が十二分に乗ったアニメーション映画になっている。
全編通して、白銀の世界を静的に描く筆致が輝く。日本で制作が立ち上がったとしてもこの仕上がりにはならなかったなと思うと、お国柄を感じます。
演出の細やかさ、目線や手の演技などが特に気になった。これはキャラクターデザインに起因しているのかも。
「なぜ登るのか」…それに明確な理由はない。ただ彼らの人間としての想いの外に、理を超えた力を感じるのは俺だけだろうか。
素晴らしい作品。