凡人である私には、結局「なぜ山に登るのか」が理解はできなかったが、アニメならではの迫力あるシーンは見所。
足のすくむような登山シーンが疑似体験できる作品。
あの有名な「そこに山があるから」という名言を残した登山家ジョージ、マロリーのカメラのミステリーを絡めたおいしいストーリー。
原作とは違い、かなり単純化をしているが、元の夢枕獏の小説の出来が良いので、映画もレベルが上がっているのは確かだ。
ただ、アニメとしては普通。
この制作年代なら、ジャパニメーションだったらもっと凝った映像となったことは想像できる。
リアリティはあるがエンタメとしてはもうワンランク派手にしても良かったのではないだろうか。
フランス制作で元の声優はフランス人。
普通なら吹き替えや声優を日本人にしたものはレベルダウンだが、今作に限り日本の吹き替えの方が合っている。
オチは結局「そこに山があるから」ってのをカッコつけて言っているだけの物ではあるが、現実を絡めたミステリーや登山シーンは良くて、楽しめる作品だ。
余談。
現実は、遺体は見つかったがカメラは未発見らしい。何十年か後に見つかる可能性はあるのが、ミステリーとしてワクワクしてしまうところだな。