ベビーパウダー山崎

アンネ・フランクと旅する日記のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.0
ホロコーストから難民問題、その引かれた線の先はガザ地区の虐殺、残虐行為への反対まで当然繋がっている。アリ・フォルマンは非人間的な行為の連鎖と向き合い、その負の歴史と現実を「映画」という表現を通して再び掘り起こし、自らその痛みを背負いながら新たな視点で描き直している。
広がり続ける想像力とどうしようもない哀しさ(寂しさ)抱えて、できる限りの僅かな希望。俺は『コングレス未来学会議』をオールタイムベスト級に偏愛しているので、本作の閉じ方もグッと来てしまった。清くて美しい、物語がリアルを超えていかない(いけない)切ないラスト。