ひゅうどんこ

あんたのひゅうどんこのレビュー・感想・評価

あんた(2022年製作の映画)
4.0
【2022年9月16日 19:20 お詫びと訂正】
当レビュー原文において、不適切な表現がございました。
具体的に申し上げるのは差し控えさせて頂きますが、それは人として生きてゆく中で、自分自身が何者であるかを示すために最も重要な部分を、私の誤った理解において記載してしまったものでした。
実際にお読み頂いた後に、非常に気分を害され、お気持ちを傷めてしまわれた方がいらっしゃいます。
全ては、拙輩の認識不足と安直な勘違いが招いたことであり、当該部分の削除と加筆訂正を行いました。
あらためて深くお詫び致します。
大変申し訳ありませんでした。
尚、改訂後の当レビューを削除する可能性もございますので、予めご了承下さい。




(以下、改訂後のレビュー)
 あらすじパッと見からしてややこしい。
スナックの雇われママの男、って、、、
経営者に雇われてるママさんの彼氏?
スナックをやってるママと呼ばれる男性??

メインで登場する二人も、ちと関係を説明するのが難しい。
とりあえず演ってるのは千葉雄大👦と伊藤沙莉👩。

チルする二人が、「あんた」とお互いを呼び合うヘンテコなトーンと相まって、見てて非常に気恥ずかしかった。

それが、ある状況の変化からほころびが出来てしまい、片方のあんたの抑えていた感情が爆発する。
その時、もう一方の「あんた」が言った言葉とは。。。

実に見事だった。
ラストへ向けて、感情のざわめきからカタルシスへと、上手く練られた脚本が効果を発揮している。
映像作品としての優劣は私には分かりかねるが、とても刺さった。いくつもいくつも突き刺さる印象深い作品となった。




 
 以下は完全に私事駄文となるので、スルーされることをオススメする。


―― 本作では、性別の判断が難しい役どころを千葉くんが担当している。
彼はいわゆるトランスジェンダー、かもしれないし、そうでないかもしれない。

だが、本作の主題とするのはそこではない。
むしろ、延々若者たちが議論し続けても答えの出せないでいる、男女間の友情というやつだ。


 私の今までの人生の節目には、私の性別とは異なる姉と慕う人達が登場してきた。
一人目は成田、二人目は尾道にいる。

どこからともなくひょっこり現れ、悩める私を慰め励まし、血の繋がった弟のように可愛がってくれ、道を照らしてくれた。

どちらも大切な友人でもあったのだが、またどちらも2度目の結婚を期に私から離れていった。
ちょっぴり恋心を抱いていた私には、チクリと疼く痛みが残った。
本当の友達関係にはなれなかった22才、27才の話だ。


 今年の初夏に友を亡くした。
その人は、本作の「あんた」と一緒に並べてしまうのは乱暴が過ぎるかもしれないのだが、異性ではなく同性に好意を持ち好きになる、という点で似ているなぁと個人的に感じた人、レズビアンだった。
(※劇中千葉雄大演じる「あんた」のキャラクターのセクシャリティーは、明確には設定されてはいないので、あくまで個人の印象です)

その人からは、映画の思い出話を皮切りに、性差や性嗜好のことも含め、無知な私は様々なことを教わり、言葉を交わした。
死して今もなお大きな影響を与え続けるその人は、多くの人に愛された。
私もその一人であったが、誰よりも良い友人関係を築けた自負がある。会ったことがないにも関わらずね。
(※。。。としていたものの、せっかく教えてもらったことの大事な部分を、如何に自分が理解していなかったか、あるご指摘を受けて痛感しています
誰よりも良い友人関係を築けた、、などおこがましかったと今では思っています)


恋愛感情は全くなかったし、あちらもなかったと言い切れる。
その人は幸せな結婚をした。心から祝った、、けれど1年で他界。
心から運命とやらを呪った。

他に連れてく奴はいっぱいいるじゃん、よりによって何でその人を連れていくんだ?
また一人ぼっちになったじゃないか。


 その哀しみと入れ替わるかのように、道ならぬ出来事が舞い降りて、私の頭を悩ませた。
そこには男だの女だのややこしい感情が絡んでいる。

世間一般許されることではないだけに、おいそれと誰彼に相談出来るものではない。
いい歳した大人が、しくしく胸を締めつけられる日々が続いていた。

そんな時、またもや友としての情を表してくれる異性がひょっこり現れた。奇特な人である。

この奇特な人の登場によって、私の心はとてつもなく軽くなり、救われた。

私はこの人を既に友と位置づけているが、あちらはどうだろう。


その昔知人に、
「別れは必要なんだよ。一度に出会える人の数は決まっている。きちんとお別れが出来なければ、次にあなたに出会うことを待ってる人が、あなたの前に現れることが出来ないんだよ。」
そう言われた。
まだ若い私には理解することが難しかったのだけれど、このトコロテン方式順番待ちの理論を今にして考えてみると、不思議とこれまでに符合する。

「こんなに悲しいのなら、こんなに苦しいのなら、愛(出会い)などいらぬ!」
こんな名言もあるが、止まることなく流れる人生でそれは無理な話だ。愛も出会いも欲しい。

出会った相手にどんな情や愛を求めているのか、何という括りの関係性なのか、きっとそんなことはどうでもいいことなのだ。

そこに男なのか女なのかなんていうのも関係ない。
相手に寄り添う気持ちがあるかどうかなのだと思う。


 心を解放して開放的になる人がいるって幸せなことだと、このショートムービーと奇特な人の登場で強く思った。
この奇特な人に異性としての恋心など微塵もないのだが、この先もしかしてそんな思いを持ってしまうこともあるかもしれない。
でも、チルな関係は何者にも代え難い。
仮にほのかな恋心などが芽生えでもしたとしたら、捻り潰してゴミ箱に捨ててしまうわと心に誓う。

結論、異性間の友情は成立します。


 ろくでもない私ひゅうどんこですが、これからもよろしくね、奇特な友よ。笑