生まれつき両耳聞こえないプロボクサーのケイコは、小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねていた。ケイコのボクシングに対する想いに迷いが生じ始めた頃、会長の体調が優れずジムが閉鎖されることが発表された。
劇的な展開はなく、主人公も多くを語らないという、ひたすら繊細に作られた表情や景色を堪能する作品。少々ウトウトするくらいドラマのsilentよりサイレント。でも退屈とは違って、音の聞こえない主人公だから目を澄ませてという副題がついてるものの、ケイコが感じる事の出来ないミット打ちの音、ペンを走らせる音、河川敷を走る時の足音等、普段あまり意識しない音が凄く心地よく表現されており、我々観てる側はつい耳を澄ませたくなった。そしてボクシングは詳しくないけど、ケイコのあの動きはかなり完成度高いのでは？会長とケイコが並んで鏡に向かって打ち込むシーンは何故かうるうるした。ちゃんと良質な作品を観た時の後味。
