陰陽

ケイコ 目を澄ませての陰陽のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.7
僕は日々の日常でなにも集中することなく周りの音が必然的に入ってくる、もちろん誰かと接する時は集中して耳を傾けるわけだが、正直耳に頼んでこの音を聞いて欲しいと操作してる感覚は全くない。
映画内で流れるセリフや物の音それら全てが主人公のケイコには聞こえていないとなると改めて想像できない感覚に陥る、台所に溢れる水の音に気づかずシンクに水が溜まるシーンそこで改めて実感した。主人公は耳が聞こえていない、ケイコ自信感情を押し殺しているのだろうか、そこに加わる話すことができないという事実。
しかし、ケイコが綴る日々の日記を会長の妻が読み上げる。なんと表現すればいいのだろうあの音を言い表すのは少し難しい。
耳が聞こえない人や障害を持つ人に対して、健常者は哀れな気持ちを持つのは正しいとは思わない、寄り添うことは大事であるが、それは健常者だからとか障害を持ってるからとかではなく、苦しんでる人がいれば手を差し伸べる。そこの感情を区別はしたくない。

他のユーザーの感想・評価

さ

さの感想・評価

3.8
こちらに判断を委ねる描写が多かったように感じた。

ケイコを演じた岸井ゆきのちゃんの演技力が凄まじかった。
こんなに淡々としてるのに、ケイコとその周りの人々の闘志、熱意、愛情みたいなものがひしひしと伝わってきて、なんだかすごく心が満たされました。終わり方も含めて大好きな映画でした。映画館で観れなかったことが悔やまれる…!
わく

わくの感想・評価

4.2
とても静か。最後も街の景色で終わっていく。16mmフィルムの光が綺麗だ
はるか

はるかの感想・評価

3.6
ボクシングとか格闘技というものがわたしにはささらないんだな

no.72
nyaaao

nyaaaoの感想・評価

4.2
生活音が強く聞こえてきて良かった。
静かだけど熱いものがあって、、


HIMIくんと恋人役の人の組み合わせ見たことあるなーって思ってたら、ムーンライトシャドウか!
あー

あーの感想・評価

4.5
この映画では何かを「続ける」ことが様々な要因で妨害される
でも続けることを諦めそうになった時に支えてくれるものが今まで続けてきたという事実とその過程で得たものであり、それはボクシングの勝利だけでなく人との深い関わりの中でしか生まれないものもある
『きみの鳥はうたえる』と同じでラストが顔アップで終わる構成は俳優の力がないと無理だけど岸井ゆきのは完璧にこなしている
声無しのコミュニケーションを遮断するものとしてマスク(コロナ)を使ったり、男女共同更衣室での着替えのシーンなど耳が聴こえないという設定を生かした演出もいい
何よりも聴覚障害者を社会的弱者として描かず1人の人間として扱っているのに好感を持てる
ふにゃ

ふにゃの感想・評価

4.0
とても静かで繊細な映画。
聴覚障害を持っている主人公、ケイコを演じた岸井ゆきのさんの演技がとても素晴らしかったです。言葉がなくても人の感情に潜り表現する演技が特に優れていると感じました。
現実は大変なことばかりで、生きていくことが辛いこともあるけど、静かな希望がもらえたような気がします。
みほ

みほの感想・評価

4.3
えっ?これが岸井ゆきのさん?

ほぼノーメイクでコンビネーションのステップを刻むボクサー姿がこれまでの彼女の役柄と違いすぎて驚きましたが、主演女優賞総ナメした演技力や存在感は素晴らしかったです。

聴覚障害を持つボクサーのストーリーは静かながら、ケイコの五感を研ぎ澄ました力強い瞳が印象的で、勝負への貪欲さも垣間見える。

ひなびたボクシングジム、下町の風景、優しく揺れる水面、温かな陽射し…素朴な風景が味わい深く映し出されていて16mmフィルムでの撮影がピッタリハマっている作品だと思った。

観終えた後の充足感が半端なく、静かなエンドロールが堪らなく美しい映画でした。

ボクシング映画にハズレなし!をまた更新してしまった作品です。
ゆう

ゆうの感想・評価

3.8
会長が大好きだったんだなあ。
ケイコの表情から伝わる喜怒哀楽が言葉を介さなくても良いということを知らしめる。
岸井ゆきの素晴らしい。

体づくりとかしっかりしたんだろな。



生活音とか環境音が印象的になっているのが驚きだった。

ろう者の映画だがら無音を強調すると思ったら逆だったので、それがすごく良かった。


ボクシング映画ってほんとにハズレないよね。
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