◆あらすじ◆
第一次世界大戦末期の戦場でドイツ人兵士のトーマスは臨死体験をする。それから半年後、トーマスは遺体の最後の写真を撮る「遺体写真家」として働いていたが、そこに見覚えのある少女に出会う。少女のアナからトーマスは故郷の村で大量の遺体があるので、その遺体の写真を撮るよう依頼される。トーマスはその村へ訪れ、遺体の写真を撮り始めるが、彼の周囲で不可解な出来事が起こり始める。
◆感想◆
遺体写真家のトーマスが村へ赴いて写真を撮っていたところ、不可解な出来事に遭遇するというシンプルなストーリーとなっているが、「不可解な出来事」の規模がどんどん大きくなっていき、最終的には誰もが認識できるほどの怪現象に発展する部分が新鮮に感じました。
主人公のトーマスは戦争で臨死体験をした後、遺体写真家となります。トーマス自身についての描写が少なく、「なぜ遺体写真家になったのか」などの設定を知りたく思いました。トーマスは臨死体験で見た少女にそっくりのアナに出会い、彼女の村の遺体写真を撮りに行きます。臨死体験時に見た少女の存在がトーマスの中で大きなものになっていて、アナを大事にしているところが感じられました。
トーマスのパートナーとしてストーリーを進める少女のアナは家族は伯母1人で村の中で除け者のように扱われているシーンがあるのですが、その理由など一切描写がないため、やたらと元気な女の子というぐらいしか分からず、観ていて感情の行き場が無くて困りました。
本作の見どころとしてエスカレートしていく「不可解な出来事」があり、最初は扉が勝手に開いたり、物音がしたりという小さなものだったのですが、途中から村人が見えない何かに引きずりまわされたり、宙に飛ばされたりとあからさまなものになっていて、一部の人にしか見えないというホラーの悪い慣習を吹き飛ばす悪霊(?)の大活躍ぶりは笑いしか起こりませんでした。
ラストは状況があまり理解できないまま終わってしまい、残念に感じました。余韻を残すぐらいで補足が欲しかったです。
怖さは皆無の作品でしたが、意外性という部分では楽しめました。
鑑賞日:2024年9月27日
鑑賞方法:Amazon Prime Video