「触れる／触れない」「可視／不可視」のルールが曖昧。まあそういう設定だから仕方ないのだが……似たシチュエーションの『天国はまだ遠い』が、そのルールを厳密に敷いたからこそ面白かったことに思いをはせてしまった。そもそも、会話のテンポがまだるっこしいという不満もある。
ただこちらの映画、終盤の切なさがかなり極まってまして……久保史緒里に靴をあげるシーンでの真正面ショットあたりから徐々にテンション＆画面の質が上がり、埠頭でそれが頂点に達する。久保史緒里の素性が結局まったく明かされないのも潔くて良い。ラストはよくわからんが。
