長年連れ添った妻に先立たれたお爺ちゃんが、妻との思い出を抱えて英国縦断1,350kmの「ローカル路線バスの旅」。彼の昔気質な言動の数々にホッコリしつつも応援せずにはいられない。
この作品の見どころは4つ。まずスコットランドの荒涼たる荒野から最南端の岬ランズ・エンドまで、車窓に映る景色がとにかく美しい。
そして2つ目、乗り継ぐバスのバラエティが実に多彩で見ていて楽しい。
3つ目は車内や車外で出会う人々の善意と悪意。良くも悪くも現代イギリスの縮図ともいえる人間模様が興味深い。
そして4つ目、この旅の目的自体の謎解きミステリー。なんとなく予想がつくが、それでも結末はじんわり胸を打つ。