社会のダストダス

ハウの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

ハウ(2022年製作の映画)
3.1
田中圭さんの「ハウゥ~www!!!アッハッハッハーwww」ってハウとじゃれ合ってる姿がなんか可愛くて段々と面白くなってきた。自分の家にも昔猫が居たけど、動物とモフモフしているときって、私もよく「かわいいでちゅね~」って舐め回していたものだ。

犬が出てくる映画だと例えそんなに面白くなかったとしても、最後にはなぜか泣いているマジックにかかるので、ハンカチ10枚くらい用意する気持ちで観たが想像とは少し違った内容だった。犬がタイトルの映画は主人か犬かどっちかが死ぬ映画という先入観が働きがち。

ハウが結構衝撃的なデカさ、1歳だったらしいけど35キロもある模様、私の小学3年生くらいのときの体重と同じくらいある。飼い主に捨てられ大型犬で声帯も無い為擦れた声でしか吠えられないハウは里親も簡単には見つからなさそうだが、そこに恋人に捨てられ虚しい日々を送る哀れな子犬のような表情の民夫(田中圭)と出会うことになる。

ハウのハートフル・ジャーニー的なお話だけど、喋らないし転生はしない。かと思えば終盤唐突に流血沙汰になるし車は爆発炎上するもんだから、驚き桃の木山椒の木でした。

民夫とハウの絆が中心に描かれるのかと思いきや、かなり序盤の方で転機が訪れるので、民夫側の気持ちはともかくハウがどれだけ主人の元へ戻りたがっているかなどは心情を代弁するものが無いので少し分かりづらかった印象。体感でいえば民夫とハウが一緒にいたのは全体の尺の3分の1くらいか。

基本的にハウの視点で描かれていて道中、様々な人間との出会いと別れを繰り返していくが、個々のエピソードは正直そんなに面白いものではなかったので中盤は若干の中だるみを感じてしまった。ありふれた感動モノにしないための創意工夫だったのかもしれないけど。とは言えあの図体で走り回り躍動する大型モフモフ犬にはとても癒される。

エライザ様に介抱されるホームレスが羨ましかったので、失業して路頭に迷うことになったら、区役所の前に住み着こうかと思います、エライザ様のこういう役もっと観たい。ハウの可愛さとエライザ様の足の長さは見所です。