ごんす

この子は邪悪のごんすのレビュー・感想・評価

この子は邪悪(2022年製作の映画)
3.0
この映画を観ても感動や驚きもないし、正直くだらないとは思う。
しかし全部の映画で価値観を揺さぶられたり自分の人生を見つめ直すようなことがしたいわけではないので「何これ」と面白がって観るのには良いのかも。


玉木宏氏演じるパパが精神科医で催眠療法を駆使する…という設定の時点できな臭いし誘ってる感じがするので、何か心が動かされるような映画が観たい時はスルーした方が吉。
でも作り手達が楽しく作ったのだろうと感じる所は要所要所にあった気がするのでまぁ良いんじゃないでしょうか。
金儲け以外に作られた理由が謎な漫画原作モノなどに比べたら全然素晴らしい。

とにかくラストシーンやりたかったのかなと思うと観せたいものがあるというピュアな心意気に泣けた(嘘)
映画部の子供たちがコンクールに出す作品を作るために集まって大風呂敷を広げて盛り上がったは良いものの…畳む作業を全員忘れているような愛らしさがある。
「俺達の映画入賞できるよな!」
「当たり前だろ!あのラストシーンは審査員も驚くぞ~!」
「それじゃあ明日学校で!」みたいな感じ。

そんな印象をより強くするのが南沙良の抜擢で、いかにもクラスのミステリアスな子に頼んで出演してもらったような。

「南さんが出てくれるなら間違いないよ!」
「時代が変わるな!」

盛り上がる映画部を観て玉木宏&桜井ユキも
「久々だよな、あんな楽しそうに映画作ってるやつら観るの」
「そうね、抑えた演出とか練られた脚本なんてどうでも良いことなのかもしれないわね」

「よし!俺達も最高の芝居ぶちかましてやろうぜ」
「プロの芝居見せてあげるわ」

こうして『この子は邪悪』に唯一足りなかったキャリアのある俳優も加わり、この夏彼らは地域の公民館で開催される映画コンクールに見事入賞を果たすのであった!
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