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X エックスのIDEAコメントはお休み中のレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.8
これがいわゆるスラッシャー映画というものだろうか。
前半はポルノ映画の撮影シーンを見せつつ、じわりじわりと忍び寄ってくる恐怖の影をとてもいや〜な空気感で描いている。
後半は一転、次々に仲間が殺されるスラッシャーシーンの連続だ。中々にエグいシーンもある。

ホラー映画ということでドキドキ恐怖に怯えつつ劇場に行ったのだが、結論としてはホラー初心者でも楽しめるくらいの恐さ。
わかりやすい伏線をしっかり回収してくれる親切設計もいいし、何よりジャンプスケアがないのが良い!

『ジャンプスケア禁止法』を制定したいくらい苦手なのでそこはかなり好印象。
だからといって全く恐さがないわけではなく、アリ・アスターの『ミッドサマー』やロバート・エガースの『ウィッチ』のような得体のしれない恐怖感はある。

脚本というかシーンのカット割が大変上手く、話の中身自体は薄味なものの優れたカメラワークで大変面白い画を観客に見せ付けてくれる。
ホラーとはいえ、ある種アトラクション的な面白味も兼ね備えたゴキゲンな作品だった。

今作はA24配給映画初の3部作構想の作品で、その2作目『Pearl』(原題)の予告編がさっそくエンドロール後に流れるので、最後まで席をお立ちになりませんように。
(公開後2週間のみ限定で…とのこと。)


(※)パンフレットが一風変わっていて、デザインを担当された大島依提亜氏によるとテーマは『70年代のアメリカのアダルト雑誌』とのこと。
あくまでもアダルト雑誌"風"なので、中身が18禁とかそういうのではないです。
(世の紳士諸兄は肩を落としたでしょうが笑)
しかしながらデザイン◎作品解説◎の良パンフレットで、この解説を読むとさらに面白く感じられるかと。
気になる方は無くなる前にぜひどうぞ。


一作目の今作では主人公は襲われる側。
次作は過去編。
じゃあ完結編は?
主人公が"襲う"側に回ったりして。
それもまた一興か…?