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クライング・ゲームの8bitのレビュー・感想・評価

クライング・ゲーム(1992年製作の映画)
3.9
とてもシンプルだけど、〝性(せい)と性(さが)〟というテーマを根幹に、哀愁と驚きに満ちたストーリーに魅せられる。
アカデミー脚本賞も納得。

IRAの一員ファーガスと、彼に拉致され人質となった英国軍兵士ジョディとの対話・交流が描かれる前半。
もうこのパートだけで一本の映画ができそうなくらい味わい深い。
この映画は〝対話〟の映画でもあると思う。全編を通して〝対話〟がとても印象的だ。。
ファーガスとジョディもそうだし、最初はバーテンを通してしか会話のできなかったデイルもそう。
〝サソリとカエル〟のエピソードが語られる二つのシーンが対になっていることからも、〝対話〟というものがとても大切に描かれている。
対話を通してお互いが向き合い、理解を深めてゆくという〝コミュニケーション〟がもうひとつのテーマなんじゃないかと思う。

当時の北アイルランド紛争問題に対するニール・ジョーダン監督の思いも感じられるような映画だった。

スティーブン・レイが若くて、前半のロン毛姿はロックミュージシャンのようだった。
フォレスト・ウィテカーはあまり変わらない気がする。ジャイアンに似ている。
主題歌を歌っているのがボーイ・ジョーイというのはなかなか洒落が効いていると思う。
WOWOWで観たらあのシーンにまさかのボカシが入っていた。重要なシーンなのに…。
〝ボカシ〟を入れるのが貴様の性(さが)だとでもいうのか。
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