#twcn
戦争は夢や笑顔、家や家族を奪う。
でも決して愛は壊せない。
イタリアが誇る世界俳優アルバァ・ロルヴァケルがフランス映画に降臨。
すっごい素敵な映画だった。゚(゚´Д`゚)゚。
可愛らしくて哀しくてでも愛に溢れた映画だった。
2020年のフランス映画。
監督は長編初の女性監督クロエ・マズロ。
全編フランス語…嘘…
アルバァ・ロルヴァケルってフランス語も話せるの…??
1950年スイスで生まれたアリスはナニーとしてレバノン、ベイルートへ旅立つ。
現地で出会ったロケット研究家のヨセフと恋に落ち結婚。
ヨセフの家族にも温かく迎えられピアノが得意なひとり娘と幸せな毎日を過ごす日々。
描き始めた画も評価され個展を開くほどに。
しかし1970年のレバノン危機を境に彼女の人生は悪化の一途を辿る。
元々外国人でアラビア語の話せない無宗教の彼女へ夫は再三祖国へ帰ることを提案するが彼女は頑なにベイルートに残るとフランス語で語り家族が離れ離れになることを一番に恐る。
そんな彼女の思いとは裏腹に悪化する内戦、中断されるヨセフの研究、そして愛する娘の決断。
彼女を船に乗せたのは??
.°(ಗдಗ。)°.
わかる。
わかるよ。
愛する人に無事でいて欲しい。
そのためなら少しの間離れ離れになることも我慢する。
でもそれが少しじゃなくて永遠かもしれない…。
かたい愛で結ばれたアリスとヨセフもずっと不安だったからあんなことに…。
でも2人の歩んできた年月は戦争を持ってしてもその愛を色褪せさせることはできなかった。
これから2人がどうなるのか??
家族みんながどうなるのか??
不安は尽きないが愛する人がいる。
愛する人がそばにいる。
それだけがとてつもないパワーになる。
そんな温かいお話でした。
全体的にウェス・アンダーソンを彷彿とさせるポップな展開。
ほとんどがグリーンバックにベイルートの街を粘土細工で合わせた色数は多くも淡い背景。
お家のセットも黄色やオレンジを基調にした色合いで構成されニュースでしか見たことがなかったレバノン内戦時の中東のイメージを柔らかくさせるのに十分。
ここは安全で幸せな空間だと思わせてくれる。
アリスがこの国に残りたい、と頑なになる説得力は十分。
この家には愛が溢れていたから。
同じように粘土細工のストップモーションを用いた演出で30年近いアリスの人生を手際よく見せる。
語り手は彼女の手紙。
赤ちゃんを授かるシーンとか可愛い!
ドライブのシーンもこの先を考えると楽しめないようでいて、夫のロケット研究&天体観測がこのカップルをいつまでもロマンチックに見せてくれる。
対して内戦や軍隊などのアリスを追い詰めるモノたちは仮面やフェイスマスクを被り、同じ動作を繰り返すようなコリオを取り入れて悲惨になりすぎないながら虚無にしか見えない。
アリスは頑なにベイルートに残る、家族は一緒に居なければ、と言うが夫は生まれ育った国を理解しているがゆえに時に突き放した現実的な提案で多くを救った。
混乱する情勢、どんどんいなくなる大好きな人々。
アリスの決断を救うのはヨセフだけ。
この世界に2人だけが残れますように。
ロマンチックで家族想いな詩人でもあるヨセフを演じたワジディ・ムアワッド(Muhammadじゃないのね)が"灼熱の魂"の脚本家って知ってたまげた!
何か新しいものが生まれるかもしれない…ふふふ。
新
日本語字幕:川喜 多綾子