リラリオ

アリスの空のリラリオのレビュー・感想・評価

アリスの空(2020年製作の映画)
3.5
1950年代…アリスは祖国スイスを飛び出し、陽光あふれるレバノン・ベイルートへ向かう。

レバノン発の宇宙飛行士を誕生させるべくロケットの開発をする宇宙物理学者ジョセフと出会い、恋に落ちる→星空の下、ロマンチックプロポーズ♡→スイスの両親は大反対、ジョゼフの家族は大賛成→「もうスイスには帰んねぇから!」→めでたく結婚→コオノトリが赤子を運んでくる→娘の名はモナ、元気にスクスク育つ→ジョゼフのロケット開発は順調→アリスは趣味が高じて画家に。
愛する夫と可愛い娘、仕事は順調、夫の家族とも仲良し!
キラキラした日々✩幸せいっぱい♡

しかし、残酷にも夢のような生活に終わりが近づく...1975年、内戦勃発。

ベイルート周辺での銃撃戦が頻発→そんな中モナは音楽学校の入学試験へ→試験の課題曲演奏せず…オリジナルの反戦歌「レバノン、私の国~」をぶっこむ→会場はザワつく→もちろん試験は不合格。
モナの願いは届かず…内戦は激化→ついにベイルート中心部爆破される→ジョゼフの研究所も攻撃をくらう→研究はストップ…落ち込むジョゼフ→「そっとしとくべ…」→そこへ「ここは安全、しばらく居させて!」ジョゼフの家族が続々と訪れ、(´°ω°)チーンムードから一気に騒々しくなる。

苦しい時の神頼み。キリスト、ヒンドゥー、イスラム、ユダヤ、仏教…あらゆる神に片っ端から祈りを捧げるアリス→「初めて祈ります。内戦を終わらせてください!」→隣人のデマ拡散おばさん「これ確実な情報!民兵が家に押し入って部屋を荒らすそうよ!思い出の品とか大切なものも容赦しないらしい!用心してドア開けないで!」→「…またデマかよww前なんだっけ?シリアが飲料水に毒混ぜただっけ 笑」「それはラジオニュースじゃね?」誰もおばはんの言うことを信じず…。
しかし…ジョゼフは話を真に受け、思い出の写真を荒らされる前に自ら処分する。

内戦の影響で暗い絵ばかりを描くアリス→「こんな絵、売れねぇわ!」画廊のオーナーからダメだし→そしてバッドニュース→「画廊を閉めるつもり。1週間後この国は消滅する。だから火曜日にパリに発つ!」オーナー家族は国外脱出→オーナーの息子と交際中のモナは落ち込む→「俺らも内戦終わるまでスイス行くべ?」→しかしアリスは「絶対ここの方がいい!」拒否る。

ベイルートは東西に分裂、異なる宗派の共生は失われる。
ジョゼフ妹の旦那行方不明、恋人を追い
かけパリへ旅立つモナ、ホラ吹きおばさん死亡…。
そして1976年、 ついに内戦が終結する。
しかし…。

ポップでキッシュ!まるでおとぎ話♡ファンタジーテイスト全開からの楽園崩壊…
夢見るロケットバカ夫を支える妻…愛と憎、夢と現実、希望と絶望の物語。
オシャレ感満載で少々パンチに欠けるが悪くはなかったっス!
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