アルジェリア系フランス移民ルーツ女子の90年代の家父長制と女性蔑視の制限のせいで自由恋愛も性への興味も一筋縄じゃいかない反発と「新時代」への"女性としての在り方"
フランス在住で移民系にルーツを持つ少女の物語として、
Netflix『キューティーズ!』、AppleTV+『ハラ』
と近年VODオリジナル映画で複数もありましたが、『ハラ』なんかは両親からの"宗教観"による締付けで周りとの置かれた状況と自分との差異とアイデンティティに苦しむという、特にこの映画とコンセプト面ではほとんど似ていることになります。
オープニングからカルトというか、淫らな雰囲気を醸し出す真ピンク演出はおそらく"女性器"を模しているのだと思われますが、違うと言われても勝手にしろい!と言いたくなるほどの妖し気なんですよねw
そんな始まり方したら、いったいどんなニンフォマニアッキーを見せてくれるのかと前屈みに…なりはせず、ラブシーンや自慰行為のシーンがあれどフランス映画には珍しいくらいポロリはせず、これは"「官能映画」では決してない"ということなんですよね。
だったら勘違いさすOPはどうなんだ…という疑問が再び浮かび上がりますがw
でもそういった両親の締め付けによる反発で頭ン中"性関連でいっぱい"のちょっと発情期の"普通女子"を描いているんじゃないですかね。
ここからや監督・脚本を務める"女性監督"の実体験による"半自伝"というプロットの流れからも『ハラ』とガッツリ似てしまうことに…(笑)
でも『ハラ』とは違うのは、ルーツ&移民国も違うのは当然として、こちらはフランス領時代があったアルジェリアで、99%が"イスラム教(スンニ派)"でより厳格な"宗教因習"や"世間体"により父親の「家父長制」が余計に際立ったものになっていきます。
インドのフランス領時代の映画が近年やたら制作されたように、「フランス」という"侵略国家の抱える問題"を複数の面から炙り出されていってますね。
『ハラ』では両親との関係性が逆転して父親を圧倒的な"悪役"として割り当てたことで"女性軽視社会"を安易に演出しました。こちらも主原因として父を起用したものの、焦点は宗教観に遮られる"女性の自立(社会進出)"精神としてまず「母親」を立たせたことに『ハラ』よりは"ヒューマンドラマ"として深いところに斬り込んだ感は出せたかと。
そこに至るまでの経緯として、母親にもっと焦点を当てることで母と自分を対比することで自分の生き方を選択したり、相互作用するようなやりとりなどあればさらに味のあるドラマになったかと思うのですけどね…
とにかく、親との関係が家庭崩壊となり、ドロップアウト&風俗ワーカーとかになっちゃうようなポルノ(官能)映画になりそうなところを、移民系のルーツ、祖国の内戦、ジェンダー問題という"問題提起"要素をいくつも加えることでやっっすい話が何倍も"意味深"な映画として感じることができる、良い意味でも悪い意味でもそんな映画ですw