RUKA

マイ・ブロークン・マリコのRUKAのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.9
大好きな「百万円と苦虫女」のタナダユキ監督が気になっていた漫画原作の実写映画を監督するということで鑑賞。
85分と短尺でサクッと観れるし、原作の良さも活かしたいい作品に仕上がっていたと思います。

幼い時からクソみたいな家庭環境で育ったせいで感覚がぶち壊れてしまって、幸せになっちゃダメな人間なんだ、そう思う方が楽だと思いながらずーっと生きてきて、きっとある日何かがプツンと途切れてこの世界からいなくなってしまったマリコ。
だけど壊れてしまったのはシイノも一緒なんだよな。

どれだけ心配して一緒に居たって他人には介入できない部分は必ずある。
でも何も言わずにいってしまったら、そりゃ残された側はやるせなくなってしまうよ。
どれだけ人が不幸になろうが、死のうが、殺されようが、赤の他人からしたら関係ない。ニュースだってBGMのようなもの。
いなくなってしまった人とまた会うには自分が生きていくしかない。
続いていく日常の中で、綺麗な思い出も悲惨な思い出もまるっと抱いて自分の中の彼女を忘れずに大切に想い続けるしかない。

ラストシーンめっちゃよかった。
残してくれていたマリコからの手紙をこちらには見せないのが本当によかった。
最後のマリコの想いはシイちゃんだけに知る権利があると思う。
ふらっと1人で八戸に行ってみたくなった。
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