Yellowman

マイ・ブロークン・マリコのYellowmanのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
4.0
“きみがいないことは きみがいることだなぁ”
桜super love /サニーデイ・サービス

誰もが経験した事はあるだろう。自分にとっての大切な人との”別離”
それは、本作のような死別に限らず、愛する、愛してた人の別離も含まれる。
本作は、永野芽郁演じるシイノが、幼馴染のマリコの突然の死に狼狽しながらも、失ってからの後悔と、同時にマリコは、確実にシイノの中で、存在し続けていた。

上記引用のサニーデイ・サービスの歌詞の世界で唄われるように、誰かと離ればなれになったり、または、会えない時があったとしても、”不在感”がより、当事者にとって、その今はいない誰かの”存在感”を色濃くするのだ。まさに観念のラインだと思う。このラインは、次のようなラインに紡がれて行く。
“きみを知らないことは きみを知ることだなぁ”

本作でシイノは遺灰を海に撒くために”二人きりの最初で最後の旅行”の道中に、何度もマリコと対話する。物語のラストでシイノはある意味において決着をつけたように思えるが、だが結論は、孤独になっただけだ。残された側として、生きて行く諦めにも聞こえる、エンディング曲のThe ピーズの「生きのばし」の歌詞に集約されているように。
けれども、シイノは、生きて行く。
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