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マイ・ブロークン・マリコのoden8のレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.4
ヤンキー女子と幸せになれへん女子の友情の物語。

ブロークンしてるのはマリコだけ?
ノンノン…しぃちゃんも結構ブロークンしちゃってますよねん。

ブロークンした心をメンドすることはできないのだろうか?
心の傷が見えたとしても。それを癒やしてあげるのってめちゃくそ難しいよね。
こちらがその人のことをどれだけ想って努力したとしても叶わないこともあるし。本人も、心が傷ついたままは辛いのに…修復の仕方が分からない。いつの間にか傷つくことに慣れてしまっている。

しぃちゃんのマリコに対する"もっと私を信用してよ"というもどかしさと。"どうすれば助けることができたの"という自分の無力感。それが、作品から伝わってくる。遺された者の悲痛な想い。
自分にとっては掛け替えのない大切な人やったからこそ、整理をしなければいけない想い。それに不器用で荒々しくも向き合う姿が描かれていた。

しぃちゃんを演じた、芽郁ちゃんのヤンキーっぷりがやや痛々しいものの。芽郁ちゃんのイメージとは似つかわしくはないが。その演技力は圧巻で、なんだかんだ魅せられてしまうのよねん。しぃちゃんのマリコに対する熱量が凄く伝わってきたよねん。
マリコを演じた奈緒ちゃんは、不幸な女性を怪演。表向きは明るい笑顔に見え隠れする心の壊れ具合の演技がよかった。

最後の手紙の内容がものすごく気になる。マリコはしぃちゃんに何を伝えたのか。
"しぃちゃんの気持ちに応えられへんでごめんね。でも、あなただけが私を保てる人でした。ありがとう。ホンマにごめんね。"
の様な言葉であってほしいよね。

最後の手紙を読めたこと。ほんのちょびっとやけど、しぃちゃんは救われたのではと思いたい。

Cast(役者·キャラ) 3.5
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 4
Picture(画) 3
Acoustic (音) 3
23-21
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