牛猫

ボーイズ・ライフの牛猫のレビュー・感想・評価

ボーイズ・ライフ(1993年製作の映画)
3.4
50年代アメリカを舞台に、暴力的な継父の下、苦しみながらも成長していく少年の姿を描いた話。

コンクリートっていう地名があるというのが目から鱗だった。典型的な保守派の基盤となる南部の町という様相。雄大な山々が連なる自然の美しさとは対照的に閉塞感漂う古く腐った価値観が蔓延っていた。

エレンバーキンがキャメロンディアスに似てる。サングラスかけてたら見分けつかない程。
ディカプリオ顔変わらないけど、この頃はまだ普通の少年って感じ。しかし演技力は抜群。寂しさを埋めるように非行に走る悪ガキ役が板についている。役名がジャックというのにニヤリとしてしまう。
デニーロの安定感も流石。ライフルのコンテストで負けて不機嫌になる一連の流れで正体をさりげなく見せるのが上手い。
子ども相手に追い詰めるように言葉で捲し立てる嫌らしさ。パワハラ上司みたいで息が詰まる。髪型まで同じにさせられて。歯向かうと押さえつけられる。まるで戸塚ヨットスクールみたい。
食事の時間に昔の喧嘩の話を武勇伝みたいに聞かせるのも嫌悪感しかない。あらゆるハラスメントてんこもりの害悪野郎。

手に負えないからって出会って間もない男に我が子を預けてしまう母ちゃんも危機感が足りなすぎる。少年時代からこんなストレスフルな環境に身を置いて良い影響が出るわけがない。
なんとしてでも抜け出したい強い思いが伝わってきた。

成績表を工面してくれたオカマの彼のその後と、1人残された末娘がどのように過ごしていたのかが気になる。
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