このレビューはネタバレを含みます
静かな映画だった。
美しい夫婦愛の物語。
ロバの鈴の音が終始聞こえていて、主演の夫婦に寄り添っているのが伝わる。
オープニングの四角い穴のカットから引き込まれた。麦、とうもろこしなどの収穫される農作物。ロバ、鶏、燕、豚などの生き物たち。生命の尊さが、中国北西部の農村の四季に描かれていた。
あまり台詞はないが、朴訥とした素晴らしい役者さんだと思っていたら、夫は本物の農夫さんとのこと。まるでドキュメンタリー映画のようだ。
農作業のかたわらで、コツコツと泥レンガで家を作っていく過程が良かった。嵐の夜の夫婦の泣き笑いもいいエピソードだった。
妻があまりに呆気なく溺死してしまう。人の死も自然の流れの中の一事象でしかないということか。
この後、夫は本当にマンションに1人で暮らしていくのだろうか？
麦の種まきから、収穫、また種まきになったということは、結婚からおよそ一年の話だったのか？
