KnightsofOdessa

小説家の映画のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

小説家の映画(2022年製作の映画)
2.5
[偶然の出会いの連なり] 50点

ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。大きく分けて数パートに分かれていて夫々が緩く繋がっているという、いつものホン・サンス。今回は女性小説家ジュンヒが主人公になる。彼女はずっと昔に小説家仲間だったが今は引退してしまった旧友に会うため、彼女が経営する本屋にやって来る。その帰り道、恐らく彼女の小説を映画化しようとして断念したという知り合いの映画監督夫婦に偶然出会い、彼らと歩いていると少し前に引退してしまった若い元女優と偶然出会い…と偶然の出会いが連鎖していく。登場人物全員が芸術関連の仕事をする中で、若い二人の人物(元女優の夫の甥と本屋の店員の女性)以外は創作に行き詰まりを感じていて、大なり小なり他人と比較してしまっている。そんな人々への讃歌である。本屋の女性店員が、ジュンヒの本の一部と思わしき一節について、勉強中の手話に翻訳するというシーンがあり、それをジュンヒが"新たな表現言語の獲得"のように嬉しそうに受け取る姿が美しかった。あと、キム・ミニが黒い革ジャン来てるんだが、ハレーション起こすくらい明るい外を背景に室内で話しているとこのコントラストが好き。最後にキム・ミニとの不倫旅行みたいなイチャイチャ映像が突然出てきたのが最高にキモかった。あれ、ジュンヒの撮った映画ってことなの?だとしたら余計にキモすぎでは?
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