たむ

ナナのたむのレビュー・感想・評価

ナナ(2022年製作の映画)
3.3
フィルメックス常連のカミラアンディニ監督の新作で、メロドラマです。
過去作でフィルメックスで最優秀作品賞を取って、本作ではベルリン国際映画祭での受賞と順調にキャリアをアップさせています。
本作では少し前の時代の女性の生き方についてのドラマが展開します。
淡々とした構成と自然描写、感情表現としてのスローモーションがテーマを強調していきます。
普遍的なメロドラマであり、独自の美学あふれる映像美。
現実と幻想が葛藤していきます。

さて、本作から離れますが、メモ的に先日東京国際映画祭が閉幕し、東京フィルメックスも本日で終了。
今年もアート映画にたくさん触れられて、感謝です。
一方で、今年すごい顕著だったのですが、会場がガラガラな事が多かったです。
東京国際映画祭は会場が狭いところもありますが、広いところは空いていましたし、フィルメックスに関しては自由席でもいいのでは?と思ってしまうことのありました。
アート系の映画は厳しい時代に本当に入って行っている事を意識させられます。
フィルメックスで今後の映画界を占い、注目を集めた監督が3大映画祭やアカデミー賞を賑わす、その流れが断ち切られやしないかと心配になります。
メジャー系の映画は回復に向かっている一方でのアート系インディーズ系の映画はまだまだ大変な印象です。
最近だとマーベルも突然アート系インディーズ系から監督を引っ張ってくることもあるので、アート系の縮小は最終的に映画界全体に跳ね返ってきます。
会場に足を運んで鑑賞することぐらいでしか応援は出来ませんが、これからの映画界を担う才能を育成する場としての映画祭に期待したいですね。
たむ

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