チッコーネ

ソウル・バイブスのチッコーネのレビュー・感想・評価

ソウル・バイブス(2022年製作の映画)
2.0
エンタメカーアクションを目指した本懐は達成できている作品だが、演出はお子様レベルに合わせられており、楽しめなかった。
チャラいメインキャラ一人ひとりのクローズアップを律義に編集していく、アイドル映画のしつこさにはホント辟易。
イ・ギュヒョン以外のスタイルが垢抜け過ぎているのも、却ってダサい。

これまでの韓国映画は、50~60代の俳優が現役バリバリ最前線で活躍できる世界だったが、今後はこのテの作品に浸食されていくのか。
若い世代の中でも良心的な俳優であるユ・アインには、できれば出演しないで欲しかった…、まぁ彼の勝手だけど。
脇を固めるキャラに見慣れた顔が少ないという点を見るにつけても、業界に新風を吹き込もうとする制作側の意図が感じられる。

独裁政権のトップが私服を肥やすのは世の常、悪の本丸はわかりきっているのに、なぜか名前に言及しないという手法(慎み?)は韓国作品によく見られる。
民主化から短いインターバルでオリンピック開催に踏み切ったのは南+西側の意地以外の何物でもないが、そのお陰でまた北が意固地になり「平壌整備に巨額を投資した挙句、人民に飢餓地獄を味合わせた」という歴史を鑑みるだけの余韻は残されていた。