MasaichiYaguchi

生きててよかったのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

生きててよかった(2022年製作の映画)
3.8
自身もプロボクサーという経歴を持ち、中国を拠点に活躍する俳優の木幡竜が、リングでしか生きられない元ボクサーを演じる格闘アクションは、パワフルな格闘シーンと熱量高いストーリーを通して、人生に不器用だが、一途な人々の生きざまを映し出していく。
長年の試合で身体が疲弊したボクサーの楠木創太は、ドクターストップにより強制的に引退を迫られてしまう。
ボクシングへの未練と執着を捨てきれぬ中、楠木は恋人との結婚を機に引退を決意する。
心機一転、楠木は新しい生活を築くために仕事に就くが、何をやっても上手くいかず、社会にも馴染めず苦しい日々を送る。
そんな中、楠木はファンを名乗る謎の男から大金を賭けた地下格闘技へのオファーを受け、一度だけの思いで誘いに乗った楠木だったが、久し振りのリングで忘れかけた興奮が蘇り、楠木はふたたび闘いの世界にのめり込んでいくことになる。
大地震、集中豪雨の自然災害、コロナ禍、海の向こうでの戦争と、世界が激動しているなか、社会が目まぐるしく変化して、確かなものが何一つなくなっているこの頃、その変化に対応出来ずに落ちこぼれてしまう人も少なからずいると思う。
本作には自分の夢に向かってがむしゃらに突き進んでいった人々が登場する。
いくら頑張っても叶わない夢もあり、特に今のような状況なら尚更、閉塞感や諦念は深い。
不器用でも「生きててよかった」と思えるように奮闘する主人公の姿に、どこか憧れに近い感情を抱いてしまいます。