磨

生きててよかったの磨のレビュー・感想・評価

生きててよかった(2022年製作の映画)
3.6
長年の激闘が体を蝕みドクターストップがかかり強制的に引退を迫られたプロボクサー。戦うことに取り憑かれ、欲望うずめく地下格闘技に足を踏み入れた男の生き様を描く格闘アクション映画。

ボクシング映画は熱いアクションやスポ根であると同時に、重厚なヒューマンドラマの要素が入るのでとにかくハマる。
今作も例に漏れずそんな流れを汲む作品となっていて、映画「ロッキー」に感動してプロボクサーになった男と、シルヴェスター・スタローンに憧れて俳優になった男、そして二人の友人でありボクサーの妻である女性、3人の人物が中心となり物語が進んでいく。

個人的にはラストが少しだけ拍子抜けだったように感じたけど、全体的には大いに満足。「あゝ、荒野前後編」「アンダー・グラウンド前後編」「BLUE」に続く近代傑作邦画ボクシング映画誕生の予感。

主演の木幡竜は元ブロボクサー俳優。“ドニー・イェンが認めた才能”として中国映画でも活躍している彼が、体脂肪3%まで絞り上げた肉体とそこから繰り出されるアクションは必見。正直ボクサーの筋肉では無いような気がするもののその説得力は十分すぎる。
本能剥き出しのセックスシーンを演じた鎌滝恵利、そしてもはや“愛のある”俳優となった今野浩喜。メインキャスト達の熱演も最後までアツかった。
磨