こうはなるまいと思っている人にはめちゃくちゃつまらなく思えると思うし、こうならざるを得ないと思っている人からしたら凄くしんどい話かもしれない、ただやっぱり面白くはないと思う（そう言う話でもないが）。藤子・F・不二雄の「定年退食」が大好きなので観に行ってみたが改めてあの短編の恐ろしさを実感した。こちらは設定以外の話があまりにも弱過ぎるし、このテーマで撮るには明らかに残酷さが足りていないと思う、きっと優しい人なのでしょう。エピソードを3つに分けてしまったが為にそれぞれが散漫としてしまうし、全てが絡み合う最後の展開も大した事が起きなくて拍子抜けする、なんだあのガバガバセキュリティは…。あと単純に老人がいなくなったところでこの国がもう詰んでいる事実は覆しようがないと思うし…やる意味ある？としか思えなかった。個人的には75どころでなく40あたりから始めて欲しいと思ってるけど。10年毎にもう10年生きますか？それとも逝きますか？とお伺いを立てて欲しい…。とりあえず倍賞千恵子に会いに行った河合優美がバレてボッコボコにされるくらいの展開は入れるべきだったと思うのだが…むしろ75歳越えても生きるなら10万罰金にするとか（あくまで映画中の話ですからね…）、そもそも10万で今日日何ができるかね。優しい世界の厳しい現実ではなく厳しい世界の優しい現実としてのPLAN 75が観たかった。
