Jimmy

なつかしの顔のJimmyのレビュー・感想・評価

なつかしの顔(1941年製作の映画)
3.6
成瀬巳喜男監督の1941年作品。トーキー映画。

冒頭、当時の少年たちがプロペラ飛行機を飛ばして遊んでいるが、木の上に引っかかってしまう。
それまでに、兵士の行進に少年がついて行ったりと、戦時中の映画らしい風景も。

そして、息子が「映画館で上映されている戦争ニュース映画に出ている」ということを聞き、観に行く母親。しかし、母親の見たニュース映画には映っていない。
そして、他の人が観ると映っていたりするあたりのすれ違いが、良く出来ている。

また、成瀬巳喜男監督らしさの象徴的シーンは、母親が店で「このプロペラ飛行機、いくら?」→(店員)「80銭です」→(母親)「もっと安いのは無いの?」という具体的金額を会話にする成瀬らしい場面もあり。

短編であったが、成瀬巳喜男監督の手腕が光る一作だった。
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