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(ハル)のikumuraのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
4.0
【(^ー^)←これをやって見せる深津絵里の顔は必見】
意外にも初・森田芳光。
これまた名監督と言われる所以が分かった。。
時代の空気感をリアルに出しつつ、フィクションとしてちゃんとまとめる。傑作!

簡単に言えば、盛岡の深津絵里と東京の内野聖陽がパソコン通信で知り合ってお互いがきになってく話!(雑)
深津絵里の透明感が素晴らしいし、内野聖陽も誠実さが出ててよき。

いい映画って、観終えると外の景色が違って見えるけど、
この映画も公開当時に、劇場で観たら、すごくそうなってただろうな。
現代に、自宅で観てもちょっとそんな気分だし、
話のテーマもパソコン通信で恋を育むっていう、現実拡張的なものだから、余計に。
当時、それこそHALごっことかした人いるんじゃないだろうか(笑)

自分はパソコン通信世代ではないけど、ダイアルアップでのインターネットとか、リアルよりメールでお互いをよく知るようになった人とか、掲示板の独特なノリとか、そういうのはあったので、
あの頃ならではの人間関係や感情の持ち方があったな、
というのを思い出した。
映画の当時も、ネットで知り合うなんて薄っぺらい〜みたいな批判があったそうだけど、
メールならではの文面への気の遣い方とか、気持ちの揺れとか、メールボックスをチェックする時のドキドキ感とか、
あれはあれで独特な濃さとか、親密さがあったよなと。

パソコンの画面上ではぐくむイメージがあると、
リアルも逆にその延長になったりするよね。
っていうのを、エンドロール直前のショットを見て思った。

96年の映画にしてはまだバブルの名残があるようなファッションで、
ここから深津絵里(自身は大人しめだけど)が髪の毛バッサリやるまでそんな時間が経ってない、というのも面白い。
主人公二人が、互いとの交流を通して、前に進んでいくのも、
そういう時代の変わり目みたいなものと重なったりした。
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