Yoshishun

透明人間のYoshishunのレビュー・感想・評価

透明人間(1933年製作の映画)
3.9
短評

2020年にリー・ワネル監督がリブートした『透明人間』。H・G・ウェルズによる同名原作の映像化で最も古いのが本作にあたる。これが30年代特撮の真骨頂とでもいうべき快作だった。

まず、透明人間を表現するに辺り、当時はCG技術さえ存在しなかった中で、ワイヤーやつや消しを駆使して画期的な映像表現を可能にしている。今の時代に見ても透明人間がそこにいるかのような画面作りには圧倒されるはず。冒頭の口元の包帯だけ取れ透明であることが明らかになるシーンには驚くばかり。
また、透明人間の残忍さを出すために、ミニチュアを用いた機関車事故や自動車事故のシーンも特撮好きには堪らない。

ストーリーについては、透明人間の怪力は薬が原因か、はたまた使用者が元々力持ちなのかがハッキリしなかったり、更には透明人間のふかしたタバコの煙までも透明になるという設定の矛盾も多く見受けられる。そういった細かな設定の粗は気になるし、あそこまでサイコパスになるのも説明不足な気がする。
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