いしはらしんすけ

透明人間のいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

透明人間(1933年製作の映画)
3.7
リー・ワネル版の予習としてお勉強的に鑑賞。H・G・ウェルズの原作は未読です。

1933年と言えばナチスが政権握った年。それを考えると、透明人間となった主人公・ジャックの優生思想には、より切迫感を覚えますな。

にしてもそんな大昔の作品なのに、全然面白く観れてしまうのは、さすが古典といった趣。

70分というコンパクトさながら、ホラー、特撮、ロマンス、アクションなど、映画的快楽をギュッと濃縮。多少のご都合展開はありつつも、思いのほかお話のロジックもきっちりしていて、安心して物語世界に没入できます。

そしてなんと言っても透明人間の特撮表現ね。今観てもよく出来た演出で、当時はさぞかし衝撃だったことでしょう。

まあお芝居はちょっと大仰で違和感あるけど、それ以外は余裕で現在でも通用する、クールなクラシックフィルムです。