すでに本当の意味でのオワコンとなった「DCEU」にて、重要作になると明言されていた今作。
ビジュアルも、どこか「アイアンマン」に似ており「ジャービス」のような音声案内付きの補助機構など設定もクリソツであることからも、なんか本当にアイアンマンのような活躍をさせる予定でも立てていたんじゃないかと勘繰ってしまうところだったのだが、DC作品の興行不振によるものなのか、公開予定時期に行われていたストライキの影響なのか、残念ながら今作が日本で公開されることはついぞなかった。
ティザーでも先出しされていた変身シーンが無駄にグロかったりと、なんか尖った表現が楽しめそうな映像だった為、個人的には楽しみにしていたから、この報には結構ガッカリしたものだが、蓋を開けてみればまあよくあるオリジンものという感じ。
ファミリーをテーマの一つにしているという話だったが、その家族がどれもいまいち愛着が湧きにくいクセを感じさせるし、ストーリー上ご都合主義的に生殺与奪の権を脚本家が握っている感がありありで、そういった点で作品として大事にしている一つの主題があまり効果的に機能していなかったように思えた。
「ブルービートル」自身も、設定と展開がどこかちぐはぐで強いんだか強くないんだか、やばいんだかやばくないんだかいまいちピンとこず、そこもノリきれなかった要因だったように思う。
なにより、いろんな要因で続編が作られる事が万に一つもなくなってしまったうえで、色々と回収不足な内容となってしまった点が最大の痛手。
風呂敷の広げ方と畳み方が確実に続編ありきだった為、そもそも内容的には中途半端と断言せざるを得ず、これ単体では高評価は与えることの出来ない作りだったので、総合的には残念と言う他なかった。
もし奇跡的に続編が出れば観てみたいが、正直言ってモラルに欠けたあの家族のノリは苦手だったなあ…。