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ムーラン・ルージュの380のレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
4.2
2002年のアカデミー賞授賞式はテロの直後でしたから割とヒッソリ行われました。911翌年の324に。ですが私は映画とそれを取り巻くセレブの動向を、1番楽しんだ時期かも知れません。感激したのはアカデミーぎらいのウッディー・アレンがトコトコ出て来てニューヨーク・トリビュートを行いました。#MeToo以降、ちょっと微妙な立場ですから変な感じですね。

子供の頃から応援して来たジェニファー・コネリーが"A Beautiful Mind"で初めてオスカーに絡んで来ました。助演女優賞を獲得したんですが、驚いた出来事としては、前哨戦の色んな賞のどれか(SAGかなんか)では手違い(認識違い?)で主演候補となり、その結果キッドマンが候補からあぶれたりしました。とかがあったりとか。色々目が離せませんでした。

ニコール・キッドマンもオスカー・ノミネーションはこの"Moulin Rouge"が初でした。"To Die For"でゴールデン・グローブは受賞済みでしたがコメディー/ミュージカル部門。アカデミー賞には手が届きませんでした。この頃からでしょうか、「お。彼女1人立ちするのかな」って思って見てました。足掛かりとしてトム・クルーズの嫁になりましたが、"To Die For"に続いてジェーン・カンピオンの"A Portrait of a Lady"とか選んじゃって。本気でやって行くんだな…と感じたからです。

"Eyes Wide Shut"はこの夫婦じゃないとちょっと関われなそうなキューブリックの遺作で、製作に関わる側もちょっとしんどそうでした。撮影は長期に渡り、その頃から夫婦仲も良くなくなって来て、出来上がっても評価はイマイチ。離婚のゴタゴタの中、Moulin Rougeの撮影が進みました。離婚自体で参るわ、マスコミが騒ぐわ、加えて撮影で転ぶか落っこちるかして骨折とかして…側で聞いてても、ニコール・キッドマンに結構な負担がかかっていたのは明らかでした。落ち込む彼女にバズ・ラーマンが劇中の名句"show must go on"と言って励ましたとかw

この後シカゴとかラミゼとか出て来ますから、この作品はミュージカルを復活させ、役者が作中で歌唱を披露し芝居の評価に加点させるってゆう流れを作り出したパイオニアとしての功績が有ります。"Alien"での「脇役かと思わせといて女性が生き残る」といった事のように、「初めて」をやった映画は売れます。

ロミ・ジュリで高い評価を得たバズ・ラーマンの次のプロジェクトとして立ち上がったこの"Moulin Rouge"は、結果
収益面、芸術作品としての批評面
共に大成功となりました。
時代劇へのポップミュージックの取り込み等今では当たり前となった幾つかの新しい試みを行っているのです。

キッドマンですが、この頃ほぼ同時進行だった"The Others"でも作品自体&演技共々評価され、"The Hours"では念願のオスカーを手にし、矢継ぎ早に"Dogville"、"Cold Mountain"を撮り…Aより上のS級女優の地位を不動の物にしました。でも全てこのムーラン・ルージュから始まっているような感触です。

誰もが知っているポップ・ソングのゴージャスなアレンジとダンス、煌びやかなステージ、芸術作品として素晴らしい衣装や建造物…本当に楽しい作品です。物語的にはちょっと悲しいけど。
じゃあ物語の、そのもっと奥にある意味なんですが…何でしょうか。
ストーリーがシンプル過ぎて、ちょっと分かりません。もう一回観直してみようと思います。

あとは…カイリー・ミノーグが出てて嬉しかった。誰か彼女に映画でのもう少し良い役をあてがってあげて下さ〜い。
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