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ムーラン・ルージュのdeenityのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
3.5
ミュージカル映画があまり得意ではない自分でも比較的よかったと感じたのが本作。ミュージカルって爆発する感情を歌として発信するから、耐性のない人は唐突に置いてけぼりを食らった気分になったりするわけですが、本作では比較的にそれが少なかったように思います。

理由として考えられるのは、まず劇中で使われている曲が名曲ばかりということ。どこかで聞き覚えのあるメロディーをミュージカルアレンジを加えて歌われると、「知ってる曲だ」「この曲好きなんだよね」とワクワクしてくるので、ここは良かった点ですね。

あとはミュージカル作品の中でも圧倒的な歌唱力で魅せていくというよりは、目で見て耳で味わって楽しんでもらうという要素が強い作品だから、歌勝負をしなくてもよかったのはある意味プラスだと思います。プロではないわけですからね。
とは言えユアン・マクレガーの歌唱力は目を見張るものがあって、そこは見所の一つです。加えて、アカデミーでも評価されているのも納得の美術だと思うので、ミュージカルとしては完成度の高い作品でしょう。

一点気になったのは、やはり感情の高まりを歌で表現しているわけですが、その感情に対してイマイチ共感できない部分があって、感情移入し切れないのが残念なところですね。

ただ、ミュージカルとして間違いなく楽しめる作品ではあるので、ミュージカルが苦手な人にもぜひ見てもらいたい作品ですね。
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