ロアー

ムーラン・ルージュのロアーのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
5.0
前回のいつメン上映会で「華麗なるギャツビー」を観た時に「ムーラン・ルージュもみんなで観たいね」となって、2回連続「いつメンでバズ・ラーマンの映画を観よう会」開催しました(雑なネーミングやめろ)。

これまでの人生で観てきた映画はざっと3000本くらいになりますが、未だに一番好きな映画として言い続けているのがこの「ムーラン・ルージュ」です。作品の出来の良さとか世間の評価は関係なく、特別に好きな一本って映画好きなら誰しもありますよね。そんな思い入れのある映画をみんなで観れてホント嬉しかったです。

何度も何度も観て何度も何度もサントラを聴いている映画だけど、ここ最近はご無沙汰でおよそ3年ぶりの鑑賞でした。
主人公たちの特別な一曲として歌われている「♫Come What May」を除き、使用曲はみんな既存のポップスのアレンジやマッシュアップというちょっと変わったミュージカル映画。
シルクハットとドレスの時代にポップス曲を合わてくる斬新さも大好きだし、選曲もすごく良い。上映会中にも呟いてたけど、モンローとマドンナのマッシュアップなんて最強すぎません?
そのマッシュアップの集大成とも言える見せ場のシーンが、10曲以上の名曲を組み合わせて歌われている「♫エレファント・ラブ・メドレー」。
バズ・ラーマン監督がロマンチストであるのは作品を観ていれば明々白々だけど、ラブソングの名曲の歌詞を繋いでそれで主人公たちに愛を語らせるという発想があたらめてめちゃくちゃロマンチスト過ぎて、益々監督のことが好きになりました。豪華絢爛なセットと言いキラキラな演出といい、ロマンチックが弾け飛んできゅんが止まらない。

しがない貧乏作家のクリスチャンと高級娼婦であるサティーンが、恋に落ちて愛を確かめ合う描写はほぼ全て歌のシーンのみで描かれているんですよね。歌に全ての感情が込められていて、音楽の持つ力の素晴らしさを改めて実感しました。ユアンの伸びの良い歌声が大好きで「♫Your Song」を聴くと何度でも恋に落ちてしまう。

前半の目まぐるしいほどの豪華絢爛さから一転、後半は一気に辛い展開になる悲恋キングな監督の手法は今作でも健在なんだけど、記憶にあったより後半にも明るさやコメディ要素があって、きっかり前後半で白黒というよりマーブルって感じでした。どっちにしろ黒の多いマーブルで切ないんですけど。
愛するクリスチャンを思いながらも公爵に体を差し出すしかないサティーン。激しい嫉妬に駆られながらも耐えるしかないクリスチャン。2人ともなんて辛い顔をしてるんだろうと思わず泣きそうになりました。
めちゃくちゃ胸が苦しいけど、「♫ロクサーヌのタンゴ」のシーンも大好きです。この曲、よくフィギュアスケートでも使われてるよね。
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