マクガフィン

ビリーバーズのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.7
カルト宗教が孤島で共同生活する重層的な閉塞感が良く、のほほんとした孤島でのピンク要素とダークコメディなテイストは、味わいがあるような。人間の三大欲の睡眠・食欲・性欲の扱いは抜かりない。原作未読。

側から見れば異常だが、宗教や孤島から見れば俗世間が異常に見える構想。カルト宗教の矛盾を突き、夢と瞑想と現実のボーダーラインが曖昧になり、幻想が見え、人間の欲望を炙り出すストーリーテラーに感心する。純粋な信仰心による〈奉仕〉と〈献身〉に対する抑えきれない性欲の情動が何とも言えないが、抑圧から開放するエロさが妙な瑞々しさに。