baby

HUSTLE ハッスルのbabyのレビュー・感想・評価

HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)
4.2
めちゃくちゃ熱くなりました。
スポーツ映画でこんなに素直に
好きになれる作品はそうそう多くないと
いうか無条件で好き!とまではなること
なかなかないから、本当に観てよかった。

2人のスポーツシーンでの大健闘の他に、それぞれの家族との愛も一緒に描かれるこの作品は、スポーツ映画の臨場感だけでなくホームドラマとしての人のあたたかみもたっぷりだった。スタンレーを支えるのは妻と娘、決断に悩んだ時や、嬉しい時、彼と共に一喜一憂し、いい意味で相手にしっかり干渉する家族の姿を見ていると羨ましくなるほど。そして、ボーは家族に対する愛や情熱が、彼の腕や、胸に埋め尽くされたタトゥーではっきりとわかる。母もボーのことを『自分の強い樫の木』と言い、彼女たちにとってもボーが、いかに重要であるかも語られていて、その愛は心温まるエピソードだった。

スポーツ映画として醍醐味の試合シーンでは、ハラハラ感満載。そして緊張の様子やプレイヤーの目線の様子、様々なカットワークで自身が試合に出ているかのように映ったり、スタンリーのように周りからボーを応援しているように映ったりとさまざまな視点で楽しめるようになっている。あと、努力をしてのし上がると言った熱い根性を見せつけるような練習シーンも、2人の茶目っ気あるキャラクターが、少し微笑ましく作品をキャッチーにさせて、そこもこの作品の愛らしさがあるなーと感じた。

本当に全体的なバランスが良い。
ちゃんと現代らしさを散らしたり、作品のキーを拾うことも忘れない。SNSのポジティブな拡散力の力、テレビメディアの強い権力に対する誇張なども織り交ぜ、今の現状のらしさを切り取りつつも、人間の根本的な底力は丁寧に描きアナログでよく見せつける。冒頭にキーとして出てきた、ボーのタトゥーも最後には『してやられた』と思わず言葉がこぼれてくるほど綺麗に回収されていた。
私はバスケ詳しくないからおそらくになっちゃうと思うけど、バスケが好きな人、スポーツが好きな人にもしっかりと刺さるような作品だったし、もちろん私のような単に映画が好きな人も満足できる内容だったと思う。

2人の人生には必ず2人が必要で、
互いに高めあい、2人の夢へと互いに導く。そんな素晴らしい関係に惚れ惚れしたあっという間な2時間だった。
baby

baby