ケイスケ

KIMI サイバー・トラップのケイスケのレビュー・感想・評価

KIMI サイバー・トラップ(2022年製作の映画)
3.3
「いますよ🙂」

キミかわいい。

スマートスピーカーによる音声チェックを生業とするアンジェリーナは、ある日殺人事件を疑わせる音声を耳にする。女性の悲鳴、殴られる音、ぶつかる音、そして、銃声。外出できないほどの広場恐怖症を抱えるアンジェリーナが勇気を出して通報に向かった先には…彼女の命を狙う謎の暗殺者たちが待ち受けていた。

スティーブン・ソダーバーグ監督の小規模な映画は結構好きです。『アンセイン 〜狂気の真実〜』とか。まあ小規模といってもアンセインの製作費は150万ドルくらいらしいけど笑。ただちょっと本作は地味すぎて人を選ぶかもしれない。日本では劇場未公開だしね。でも89分と短いしサクッと観れるスリラー映画としてはオススメです。

本作で面白いのは広場恐怖症の主人公と、スマートスピーカーのKimiの存在。本作はコロナウィルスがパンデミックを起こした辺りと同時期に作られたらしく、主人公が外を歩けない理由を後押ししていて良かったと思う。意外と映画内でちゃんとコロナに言及した作品って少ないと思う。

後半大活躍のKimiも良い。呼びかけた時の「いますよ🙂」がだんだんクセになってきます。てか「キミ」って名前はどうなんだ。アレクサとかは誤作動を起こさないように、あえて日常会話で聞き取りにくい名前にしているらしいけど。キミだと日本で誤作動しまくって売れないじゃん笑。

最初は退屈に感じる場面もありますが、後半にアンジェラが誘拐されそうになってから一気に面白くなりました。まあ89分と短い割にハラハラするのが60分超えたあたりなので時間配分があってるか分からないけど笑。ソダーバーグ監督作では間違いなく上位に来るような作品ではないですが、なかなか面白い佳作でした。