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オリエント急行殺人事件のほーりーのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)
3.6
アルバート・フィニーが亡くなった。

読売新聞の訃報には「ごく親しい友人のそばで息を引き取った」と書かれていたので、とうとう「ビッグ・フィッシュ」のラストのようなことが現実になったと感じた。

ちなみにどういう訳か東京新聞には訃報が出なかった。海外スターの中でも有名な人だと思うんだけどなぁ。

さて追悼で何か観ようと思ったのだが、あいにくと若き頃の「土曜の夜と日曜の朝」や「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「いつも二人で」は手元にないので、70年代のオールスター映画「オリエント急行殺人事件」をチョイス。

監督はシドニー・ルメット。

フィニーが名探偵ポワロを演じた本作は、ローレン・バコール、マーティン・バルサム、イングリッド・バーグマン、ジャクリーン・ビセット、ジャン・ピエール・カッセル、ショーン・コネリー、ジョン・ギールグッド、ウェンディ・ヒラー、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレーブ、レイチェル・ロバーツ、リチャード・ウィドマーク、マイケル・ヨークが出演した超豪華作。

この映画を皮切りに「そして誰もいなくなった」「ナイル殺人事件」「クリスタル殺人事件」「地中海殺人事件」とクリスティ原作の映画が続いたけど、スターの豪華さそしてその出演者の多さでは本作がダントツだと思う。

セコい役者がひとりもいないのが凄い。

ちょっとネタバレになってしまうが、本作のオチはこのオールスターキャストだから映えるのだと思う。

オリエント急行に乗ってイギリスに帰国中の名探偵エルキュール・ポワロ。ところがある夜、同乗していたアメリカ人旅行客が刺殺される。

被害者は前日ポワロに命を狙われているとうったえたばかりだった。

雪で列車が立ち往生する中、友人である鉄道会社重役から事件を解決するよう懇願されたポワロが捜査を開始する。

やがてポワロは事件の背後には5年前に未解決のままとなった幼児誘拐・殺人事件があることを掴むのだが……。

なんとまあベルギー人のポワロ筆頭に、イギリス、アメリカ、イタリア、フランス、ロシア、ドイツ、ハンガリー、スウェーデンと国際色豊かな乗客ばかり。

改めて観たがアルバート・フィニーのポワロは演技がくさくて、何か無理に演じている感が強い。

しかし面白いと思ったのは、この個性豊かな容疑者たちに対してポワロが取り調べを行うのだが、相手によって全然態度を変えている点。

時にはソフトに、時には居丈高に、手を変え品を変えで相手から有力な手がかりを引き出そうとするポワロのしたたかさに恐れ入った。

■映画 DATA==========================
監督:シドニー・ルメット
脚本:ポール・デーン
製作:ジョン・ブラボーン/リチャード・グッドウィン
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット
撮影:ジェフリー・アンスワース
公開:1974年11月24日(米)/1975年5月17日(日)
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