午後

カリガリ博士の午後のレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
4.0
ドイツ表現主義の代表作!まず目につくのは遠近感を狂わせるような歪んだ書割の背景。傾いた照明やひしゃげた道、台形の扉など、悪夢のような手触りの美術の数々が素晴らしい。個人的にはお役所のやたらと高い椅子に座って背中を丸めて仕事をする役人のシーンが好き。
過去に何度か観ようとしては、サイレント映画慣れしていないのもあって、途中で寝てしまっていたが、今回はするっと最後まで観られた。語りの巧妙さ、構成の面白さに舌を巻く。カリガリ博士の立ち位置をめぐる解釈も分かれそうで、色々な論考を読んでみたい。
夢遊病者チェザーレは端正な顔立ちしてるし手足長くてスタイル良い。耽美系コスプレイヤーに見えなくもない。あとキューブリックの『シャイニング』と並んで、怖がってる女の人の顔の方が怖い映画のひとつ。
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