100年近くも昔の1920年作品。ドイツ表現主義の頂点とも呼ばれているサイレント・モノクロ作品。
様々な要素が詰め込まれているためホラーの原点とも呼ばれているが、私的にはあまりホラーとは思えなかった。精神病を扱った狂気的な内容と政治や権力に対する暗喩だろうか。
あまり映画らしくは無く世界観は完全にアートそのものだろうか。カンディンスキーの絵画のような歪んだ不安定な空間表現と、常時流れるピアノの不穏なメロディラインがマッチする独特の世界が凄く個性的で魅力的だと思う。程よくユーモアが効いているのも素敵だ。
70分という短めの尺なのでアート好きには、気軽にオススメしたくなる作品だ。